悲しみにうちひしがれていると踊る事ができない
ニスリーンです。今日は。 先日、お恥ずかしながら、非常に下らない理由で夜の数時間を泣いて過ごしました。(※もう問題解決済みです。) 次の朝、愕然。 踊りが..とても下手になっている! アンジュレーション(いくつか種類がありますが、この時は胸からお尻まで大きく波打たせる動き)はぎこちなく、 手はガチガチでなめらかに動かない。 ヒップを動かそうとすると股関節がぎくしゃく。 何より、胸部が沈んでしまって、持ち上げようとすると普段の何倍も労力が必要。 まあ、泣いている=うずくまっている状態がしばらく続いたわけで、単純に身体が固まっていたという見方もできるのですが、このとき頭に浮かんだのは 「悲しい時の身体の反応って、踊る時の身体の動きと反対なんだな」 ということでした。 踊るとき=胸をしっかりと持ち上げ、楽に胸で呼吸をする。おへそを意識しコントロール。身体の中心軸はぶれず、身体が末端までリラックスした状態。 泣いているとき=胸が沈んで、呼吸が浅い。身体の軸が乱れてどこにあるか分からない状態。手や肩が強ばって萎縮した状態。 「胸が悲しみで押しつぶされる」という表現は単なるたとえではなくて、本当にそうなるんですね。 次に頭に浮かんだのは、師匠サディアの言葉です。 「アラブでは、本当に悲しい事の最中は踊らない。(※感傷にひたって踊ることはあっても)踊るのはお祝いのときや皆で楽しむ時。」 身体をほぐすべく、暫く練習を続けていたら、何だか「笑いながら怒っている」みたいな 妙な気分に..。なるほど、悲しみでうちひしがれていては踊る事ができないんだ、きっと..。 踊ってる状態は祝祭の状態。悲しみや寂しさを内包したとしても、それにつぶされてはいない。 これはもう踊りの本質なんだ... 悲しみに心が乱されることがあっても また幸せを祝福することができるように、丁寧に踊ろう。 踊るからだを取り戻そう。 そんなことを考えたのでした。 ※アメリカはフロリダ州、オーランドの銃撃事件の犠牲になった沢山の方々の魂が慰められるよう、心からお祈りしています。そして、この痛ましい事件がさらなるヘイト煽動に利用されることが無い様に。祈っています。※ *******************