レッスンをしていると、ふと、キーワードになる一言、があります。
例えば「プロペラみたいに」「コンパスみたいに」比喩もあれば
「足の裏」「腹筋」そんな身体の部位のこと。
ほんの一言、引っかかる言葉があると、一瞬で生徒さんの身体の動きが変化します。勿論良い方へ。
そんなとき、人間の意識の力って凄い。意識とつながる身体の賢さって凄い。といつも感動します。
よく英語でAwaken your body、などと言いますが、本当に身体が「目を覚ます」という言葉がぴったりです。
私の言葉は、とっかかり。
これとは逆に、言葉や人の放ったメッセージが、ネガティブな作用を引き起こす場合もあると思います。
このことをとてもよく描いている、「呪詛抜きダイエット」(田房永子さん著)というコミックエッセイがあります。
この作品の中で、彼女はネガティブな言葉による心の縛りの事を「呪詛」と呼び、過去に受けた数々の「呪詛」が摂食障害(暴飲暴食が止められない)の大本の原因にもなっていた事を解き明かして行きます。
印象的な、彼女がエステに初めて行った時の一幕。
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エステティシャンに「田房さんのお尻のたるみ そうとうすごいですよね」
「いくら食事制限をしてもうちでセルライトをとらないと効果はないんですよ
田房さんレベルのセルライトだと特に..」
と脅されてしまいます。
酷い!なんだそのエステ!!とこの時点で本を投げそうになります。
しかし、考えてみれば、こういう種類の「呪い」メッセージは、べつだんエステに限らずとも割とありふれているように思います。
「xxでないあなたは駄目、xxにならないといけない」
「xx以外の方法は存在しない」
つまりその人を否定し他の道を塞ぐ事で、特定のサービスなり、物品なり、人なりに縋り付きたくさせるという方法ですね。
テレビやポスターや雑誌の表紙などの広告、時には人間関係の中でもあることだと思います..。
このエステから「つらい」と逃げた帰りに主人公は、素敵な「紅茶の試飲コーナーのお姉さん」に出会います。
熱心に紅茶の良さを語るお姉さんの温かさにホッとした主人公は
「この人ほんとに紅茶が好きなんだな 」
「エステの人はたしかにキレイだけど 足の太さや体重は みんな決まった形にならなきゃ行けないみたいな感じ
私はこの人の方が可愛いし美しいと思う」
「私は私の気に入る容姿になればいいんだった」
と心の中でつぶやき、真っ青な顔から一転、笑顔を取り戻しています。
私はこの章を読んだ時に、
私のダンスの先生方と、「紅茶のお姉さん」が重なって見えました。見た目が、という事では無くて.. 人を強迫観念で締め付けるよりも、熱意と、愛情(ダンスそのものと、生徒への)で温かく解きほぐしてくれる方々だったから、です。
不思議な物で、心がほぐれると、ふいに、今までは出せなかった力が出たりします。
魔法みたい。と思った事もあります。
これは「良い方の呪い」と言ってもいいかもしれません。
私も「良い方の呪い」が使えるようになりたいなあ..そんな想いもベリーダンス(オリエンタルダンス)を教えられる様になりたいと考えた理由の一つでした。♪
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